交通事故・労災事故

交通事故・労災事故は、ある日突然に、起こります。

交通事故・労災事故による歯の喪失に対して、インプラント治療は、旧来の治療方法(ブリッジ・義歯)と比べ、機能性・審美性ともに、はるかに優れております。(もちろん、例外的に旧来の治療法が適した患者さんもおります)歯の喪失自体は生命に直接影響しませんが、多くの患者さんは、事故後の救急治療が終了して一定期間経過し、安定してくれば容姿・発音・咀嚼などに関心がうつるようになり、口元を復元することを望みます。このとき、歯牙欠損部位に隣接する外力を受け破折・脱臼等をきたした歯を切削し、ブリッジを装着し、咬合力を負担させることは、その治療の将来にわたる安定性に疑問をもたらします。
裁判所の判断を引用させていただきますと、「医師の治療行為は専門的な知識と経験に基づき、個々の患者の個人差を考慮しつつ、刻々と変化する病状に応じて行われるものであるから、特に臨床現場における医師の個別的判断差を尊重し、医師に診療についての一定の裁量を認める必要があるというべきである。また、医療水準といっても一義的なものではなく、医学の進歩等にともない、ある診療行為の有効性・妥当性については、見解の対立が存する場合があるのであって、その見解がいずれも医学界においてある程度共通の認識と理解を得られるものとして医療水準の範囲内にあるといえる限り、そのいずれを採用するかは医師の裁量に委ねられているというべきである。」(東京地判平成元年3月14日判決・判例時報1301号21頁の判旨より)したがって、ある交通事故被害者のインプラント治療を歯科医師が「公序良俗」にしたがって、妥当とし、かつ、十分なインフォームドコンセントのもと患者もこれに同意したならば、加害者加入の保険会社にインプラント治療費を、請求するべきと考えます。
まとめますとわれわれ歯科医師には、社会的犠牲者である交通事故・労災事故の患者さんに最良の医療を提供する職責があると思います。他方、交通事故・労災事故患者さんには、最良の医療を受ける権利がある(損害賠償請求権)のです。この最良の医療の範囲は、旧来の治療方法(ブリッジ・義歯)のみに限定することなく、インプラント治療もきわめて有力な選択肢のひとつとしてあるべきと考えます。欧米においては、交通事故患者が、インプラント治療を第一選択肢としております。
インプラント治療発祥の地スウェーデンでは、交通事故患者には無料でインプラント治療が適応されております。私の私見では、交通事故もしくは労災事故患者さんには、一定の条件を満たせば、インプラント治療を第一選択とすべきであると確信しております。不幸にも事故に遭遇された方の質問、相談に応対いたします。

 

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